生きていくための資源

 我々は可能であるならば失敗したくない、裏切られたくない、負けたくないと思うものです。この思いが誤った方向へと高じると挑戦しない、信頼しない、勝負しないというマイナスの態度になってしまいます。何もしなければ得られるものはありませんが、何かを失ったり嫌な思いをすることもありません。差し引きゼロの状態に留まることができるわけです。

 仏教の説く空とは我執を抑え縁に従うことで広く大きな世界と関わることができます。これに対して何もしないということは、自らの弱い心に逃避するということです。働かなければ、本心を出さなければ、友達を作らなければ、評価されることも思い煩うこともなくなります。ですが、何もない生活の何が楽しいか分からなくなる生活になってしまいます。


 池に小石を投げ込めば波紋が広がります。同じようにひとつのアクションを起こせば、良くも悪くもその影響が広がります。そのアクションによって新たなる役割や友人ができるかもしれませんし、失敗や批判にさらされるかもしれません。実際にはやってみなければ分かりませんし、何事にも成否・賛否が伴うものです。大切なことは、そのどちらを取るかということです。


 成否・賛否から傲慢にならず謙虚に頑張れる材料を選び取ればいいのです。周囲は自分が思うほど良くも悪くも気にしていないものです。あとは自分がどのように考え行動するかなのです。自分が失敗した・嫌われたと思えば、そのようになっていくだけなのです。今の日本には虚無の苦悩が広まっています。地球には石油をはじめ様々な資源が眠っていますが、人間にも様々な能力や活力が眠っています。それを活用することで、自分なりに前向きに生きることができるのではないでしょうか。
 




応援クイックお願いします
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村