人生の大事な場面での選択

 ある番組で昼間から酒を飲むことに罪悪感があるとコメンテーターが話していました。今は下火となった団体旅行も旅行なら朝から酒が飲めると昭和の時代には人気がありました。もちろん旅行という限定された時間だからこそ許されるわけで、もし毎日朝から飲んでいては健康を害しますし、家族からも非難されます。これは飲酒ばかりではなく、何事においても節度というものがあり、これを守ることで健全な生活を送ることができるのです。


 近年は自分らしく生きることが賞賛されています。ですが、自分らしく生きるためには、ちゃんと自分を律することができなければなりません。人間は堕落しやすく、道を外しやすいものです。世の中には自分らしく生きている人と制御を失っている人がいます。社会の価値観に束縛されず自由に生きることと、面倒なことを放棄して身勝手に生きることは違います。その違いは自分対する厳しさの有無だと思うのです。


 現在の日本では「無理することなく、自由に思うように」という風潮があります。ですが、生きるということには苦難が伴うもので、楽なことばかりして生活できるわけではありません。誰しも苦楽のうち楽だけを願いますが、そんな甘い話はないと経験から理解しています。ところが、だからこそ自分の子供や孫には苦労せずに育ってほしいと願うものですが、やはり厳しさを求めなければなりません。人生の大事な場面で選択を間違わないためには、自分に対する厳しさが必要なのです。自分にも家族にも優しさと厳しさを両立していきたいものです。




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