ブレーキの壊れた人々

 人にはそれぞれのペースやリズムというものがあります。仕事を覚える速度、親しくなる速度、食べる速度、歩く速度など何事においても自分なりの速度いうものがあります。この速度を守って生活できれば安定するのですが、周囲の人間にも同じように自分の速度があり、お互いの速度が交差すると乱れることがあります。せかされたり、待たされたり、不安にさせられたり、イライラさせられたり、自分のペースやリズムが崩れると途端に心も乱れてしまいます。


 自分のペースやリズムが崩れた時ほど平常心が求められますし、人間としての器量が試されます。韓国でクレーマーが問題になっているそうですが日本も同じようなものです。韓国ではお客様を王様と称し、日本では神様と称してモンスターを生み出しました。クレーマーも自分のペースやリズムが崩され制御できなくなった人々です。些細なことで取り乱すのは心の修養がおろそかだからです。思うようにならないとブレーキが壊れて暴走するのでは大人とはいえません。あおり運転なども同じように心が制御できなくなっているのです。


 人生において最も大切なことは心の平安です。いかに乱されることなく満たしていくかなのです。朝立ち寄ったコンビニで店員の態度が気に入らないと一日イライラして過ごしては、その店員に翻弄されたといえます。不慣れな店員に頑張ってほしいと思えれば、心は乱れることなくおだやかでいられます。相手にマイナスの感情を発すればその衝撃で自分の心も乱れます。相手にプラスの感情を向けることができれば、自分の心もおだやかでいられます。自分の感情にブレーキをかけながら上手に暮らしていきたいものです。