年末の破綻者

 年末になると短慮の事件が多いように思います。飲酒運転で事故を起こしたり、万引きで逮捕されたり、悪いと分かっていることをどうしてしてしまうのか謎は深まります。冷静になって考えれば、事故や逮捕によって自分の人生が大きく変わることは理解できるはずです。最近、地元でも公務員が飲酒運転で逮捕されました。懲戒免職となれば悔やみきれないことでしょう。まして狭い田舎では生涯にわたり後ろ指をさされます。


 仏教には因果応報という言葉があります。人生とは自らがおこなったことが返ってくるというシンプルなものです。善いことをすれば善いことが、悪いことをすれば悪いことが返ってくるのです。難しい言葉は知らなくても、中身は小学校の頃から教えられていることです。私などはすでに忘れてしまっている高学年の難しい算数の問題から比べれば、とても簡単なことです。ところが、この簡単なことを大人であってもなかなか実践できずにいます。


 私達は道理を見極めなければなりません。自分の言葉や行動が周囲や社会にどのような影響を与えるのか。さらにそれがどのよう形で自分に返ってくるのかを考えなければなりません。考えることはけして難しいことではありません。大切なことは導き出した結論を安易な言い訳で誤魔化さないことです。人間の持つ欲というものは平気で道理を無視しようとします。後悔する人の大半は欲にそそのかされ目先のことに囚われ、道理から外れてしまった人々なのです。つい暴飲暴食してしまう、つい余計なものを買ってしまうなど、私達は様々な場面で欲に負けてしまいますが、この一線は越えてはならないという時には欲に負けることなく道理を死守したいものです。