幸福の真実

 知識で人間関係が良くなるわけではありません。最近のハウツー本で人間関係に挑んでも難しいのではないかと思います。大切なことは情だと思っています。人間を大別すれば理性派と感情派に分類することができるかと思います。どちらにも一長一短があるわけですが、人間関係においては情の深い感情タイプのほうが向いているのではないかと思います。人間関係を理屈で考えるとおかしくなります。理屈が通らないからこそ情というものが大切になるのではないかと思うのです。


 子育てもお金で育てると損得で考える子供になります。情で育てた子供は情で考えるようになります。情の理想的な徳目は感謝や慈悲などであり、損得ではなく自分や相手のことを考えることができれば人間関係も豊かになります。理性と感情のバランスも大切ですが、感情を主としながらもマイナスの感情に支配されないよう理性で補佐するのが理想かと思います。人間は幸福を求めて生きているわけですが、幸福とは心で感じるものであり、それが感情なのです。自らの感情を殺すことなく豊かにしていくことが幸福への道でもあります。


 人間関係は幸福の大きな指針だと思います。幸福のイメージはそれぞれ違いますが、その幸福のイメージには必ず相手がいるのではないでしょうか。自らが理想とする幸福な自分と今の自分を比較してみることも大切です。幸福とはけして外的な条件が整うことで得られるものではなく、自らが望む幸福を実現できる人間になることです。幸せになりたいと誰もが願い、生きることの最大の目的は幸福になることです。その幸福とはどこからともなく舞い込んでくるものではなく、自らの手で創りあげるものなのです。