あなたの方向性

 人間の心というものは同じ性質のものを呼び込む特性があります。不満はさらなる不満を、言い訳はさらなる言い訳を、怒りはさらなる怒りを、喜びはさらなる喜びを、努力はさらなる努力を、何事も雪だるまのように大きくなっていきます。ただし、我々にとってマイナスのものは、下り坂で雪だるまを転がすように楽々と大きくなっていきます。私達にとって大切なことは上り坂で雪だるまを転がすかのように簡単にはいきません。楽なほうに流されやすいのが人間というものです。


 いばらの道をあえて歩く人は少ないものです。誰しも楽をしたいと思いますし、いつの間にか心に隙ができるものです。この隙から馴染みの言葉が生まれてきます。「まず今日はゆっくりして、明日から頑張ろう」とか「私は何も悪くないのに、あの人が全部悪いんだ」など棚上げや責任放棄という楽な手段に慣れてしまうと、頑張ることができなくなります。何事もまず自分のこととして捉え、自分ができることを考える習慣を持つことで、たとえ苦しい坂であっても着実にのぼることができます。


 この世界において最も困難な相手とは自分自身なのです。他人に勝つよりも、よほど自分に打ち克つことのほうが難しいものです。愚かな人は外に対戦相手を求め、比較しては一喜一憂して苦しみます。賢い人は相手と戦うことの無意味さを知っており、自身と向き合い成長していきます。たとえば面接などでも、ライバルよりも劣っていたと考えるのではなく、自分の魅力を充分に伝えきれなかったと考えることで、前向きにステップアップできます。どこを見ているのか、誰を見ているのか、その視点によって明日への方向性が大きく違ってきます。



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