うつろな生活

 日頃の行いを考えることも大切だと考えました。現代社会において慌ただしく一日はあっという間に過ぎ去ってしまいます。一生で一度しかない今日という一日なのですが、その一日を楽しむことも味わうこともないまま終わってしまうとしたら、そんな一日を積み重ねていく一生も同じようなものになってしまいます。子供たちを見ていても上手に時間を使うことができずに、時間をつぶすことに終始していように感じることもあります。ゲームやテーマパークなどお金を払って楽しい時間を提供してもらうことはできても、自分で楽しい時間を作り出す能力が乏しいように思われますが、それは大人も同じなのかもしれません。時間か空けばスマホをながめる生活がはたして幸福な人生なのかと考えさせられます。


 もっと自分の生活を見直して豊かにしていくことが求められています。朝起きたら希望をもって一日をはじめているか。食事の時にはちゃんと「いただきます」を心を込めて言っているか。人に会ったら自分から挨拶しているか。会社や学校においてはダラダラ不満に囚われず積極的に勤めているか。人間関係では自分のことを優先せず相手のことも見ているか考えているか。眠るときには今日一日に感謝しているか。哲学的な人生論よりも、自分の日々の生活をしっかりと見つめて、丁寧に生きていくことが豊かさへの秘訣だと思っています。


 昔の人は日々の生活に功徳や陰徳を求めました。功徳や陰徳を積むことが現世においても来世においても、自らの安らかなる幸福につながると考えられていました。そのような生活を心がければ、欲に翻弄されることも、人と争うこと、不安におののくこともなかったのかもしれません。日々の一コマ一コマを大切にしていくこと以外に、幸福への道はないと思うのです。幸福とはある日突然どこかから舞い込んでくるものではなく、日々の生活の延長線上にしかありません。うつろな生活ではなく、今この時を大切に着実に歩んでいきたいものです。



応援クイックお願いします
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村