天職など存在しない

オールアバウト連動記事
 ビジネスマンを対象にした調査で約60%もの人が現在の仕事を天職ではないと考えているようです。そもそも天職に就くという発想に疑問を持ってしまいます。現在の仕事に不満を持っている人は「もっと自分に適した仕事があるはずだ」とか「もっと楽しくて充実した仕事があるはずだ」と、いわばどこかに自分の天職というものが存在すると考えます。ところが、そういった天職というものは存在しないのです。


 天職とは現在の仕事に満足することから生まれてくる感覚です。天職というものがあるのではなく、満たされた仕事をしていると天職だと思えるのです。もちろん、はじめから満たされた仕事ができる人などいません。慣れない仕事を覚え、まわりから信頼され、裁量を与えられ、ある程度の結果を出せてこそ満たされた仕事になるのです。それまでに少なくとも10年の歳月がかかります。この月日をいかに過ごすかが大切なのです。不満に埋もれ為すべきことを怠っていては、いつまでたっても天職とはならず、つまらない仕事に従事するばかりです。


 会社に対して「させられている」とか「使われている」と思っているうちは、充実した仕事などできません。仕事に様々な条件を求めるよりも、与えられた仕事を楽しもう学ぼうとする意欲がなければなりません。意欲のない人間が、どんな好待遇の職場に勤めても天職という実感を持つことはありません。天職にしても幸福にしても、私達は「出会う」とか「与えられる」という感覚を持っています。ですが、その感覚は間違いなのです。すべては自分で創り出していくものなのです。


 何事も外に求めるのではなく、自分自身に求めなければなりません。多くの人々が自分の思い通りにならずに苦しんでいます。ですが、それは求めるばかりだからなのです。待っていても思い通りになることはありません。自分の願いは自分の手で実現するしかないのです。幸運を期待するよりも、自分の足で歩いていくのが確実で最良の道なのです。そうしてこそ天職も幸福も得ることができるのです。


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