生き残れる者

 ダーウィンの「この世に生き残る生き物は、最も強いものではなく、最も賢いものでもなく、変化に対応できるものである」という言葉があります。この言葉は現代社会を如実に表している言葉でもあります。現代ほど変化の激しい時代はなく、変化に翻弄されながら暮らしているようなものです。次々に新しいサービス、商品、価値観が登場しては古きものを踏破していきます。


 新しいものが登場すると多くの人々が歓迎し流行となり、絶対唯一のように祭りあげられます。そして今まで歓迎していたものが、つまらないもの思えてしまいます。その繰り返しが今の社会のように思えるのです。安定することなく変化を続け翻弄されるばかりです。新しいものが注目されると、誰もが真似をしようとします。商品ばかりではなく、政策から価値観まで幅広く迎合が繰り返されます。


 私は変化に対応していくことは必要だと思っています。しかし、その対応とは迎合ではなく、真偽を見極めること、先々まで見据えること、志を見失わないことだと思っています。子供が親にねだるときの定型句として「みんなが持っているから」という言葉があります。冷静に考えれば、みんなが持っていることと自分が欲しいことに関連はないばすなのですが、「みんなが持っている、みんながしている」という思いは、大人の心さえ強く動かすものです。 


 災害が起きたときに慌てて行動するとかえって危険だといわれます。まずは落ち着いて自分が取るべき行動を考えなければなりません。焦っても鈍感であっても生き残れません。まして現在の変化は必ずしも良い方向への変化ばかりではありません。変化の行き着く先を見据える目を養わなければならない時代に生きてます。何が大切なのか、自分の志や想いを見失わないようにしたいものです。


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