求めるよりも、満たされている自分の発見

 現代は時間をつぶすことに苦労しない時代でもあります。たとえ一人であっても孤独と時間を忘れ去らせてくれる、強い刺激にあふれているのです。そのため様々な依存症が社会問題にもなっています。強い刺激を味わうと、なかなか抜け出せなくなりのめり込んでしまうものです。たとえるならば味の濃い料理を好むようなものです。そういった料理に慣れてしまうと、普通の料理が物足りなく感じてしまいます。つい味の濃いものばかりを求めるようになってしまいます。


 食事であれば、年齢と共に胃腸が弱まり濃い料理を受け付けなくなり、薄味の料理を好むように変化していきます。普段の生活においても強い刺激をむなしく感じる瞬間があります。そういった時には静かな刺激(時間)を心が求めているのかもしれません。自らの心の訴えに耳を傾け静かな時間を作ってみると、今まで知らなかった時間の過ごし方に出会えるかもしれません。 


 「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉がありますが、おだやかな生活を旨とすることで心が整ってくるのです。求めるよりも、満たされている自分を発見できるような時間が大切なのです。そういった時間を大切にできるようになれば、ことさらに強い刺激を求める必要もありません。心を麻痺させる刺激ではなく、心をやさしく包んでくれる時間が私達には必要なのです。


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