バネのきかない現代人

 最近は悔しさや逆境をバネにしてという言葉を聞かなくなりました。自分の悔しい経験や苦しい環境をバネにし奮起するという気概が失われつつあるのかもしれません。人間が生きていれば様々なことがあります。不本意なこともたくさんあります。いわば外からもたらされたマイナスに対して、そのマイナスを跳ね返すのか、それとも抱え込んでしまうかの違いではないかと思っています。


 心の強い人は不本意な結果に対して正しい方法で反撃します。失敗すれば成功を目指し、冷遇されれば見返そうとし、厳しい環境にあればその環境を変えようとします。偉人として名を連ねる面々は最初から有名だったのではなく、立志し奮起しけしてあきらめなかったから名を残したのです。偉人とまではいかなくとも、少なくともマイナスを跳ね返す力はほしいと思っています。マイナスを抱え込んだり、歪んだ発散をしてしまうと、自分もまわりも不幸になってしまいます。 


 今はあきらめ型のさとりタイプが増えているといわれます。外からのマイナスに対して、「こんなもんだろう」と腹をくくるのではなく、あきらめてしまいます。ところが、そのマイナスは逃げ場なく本人に留まるのです。年齢と経験を重ねた人の場合には、上手に消化することもできますが、若いうちからマイナスを溜め込んでしまうと、必ずどこかに歪みが生まれてしまうものです。


 今は外からのマイナスが急増しています。マイナスはストレスとなり私達を苦しめます。マイナスを撃退するためには、強く前に進もうとする気概が求められます。あきらめることはいつでもできますから、その前に少しばかりでも抵抗してみたいものです。「やるだけやった人」と「なにもしなかった人」では同じ環境にあったとしても、その後が大きく違ってきます。やった人はたとえ結果が伴わなくても、マイナスを処理し次に進むことができるのです。



応援クイックお願いします
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村