宝在心に学ぶ幸福の秘密基地

1、心に物なき時は心広く体泰なり
1、心に我儘なき時は愛敬失わず1、心に欲なき時は義理を行う
1、心に私なき時は疑うことなし
1、心に驕りなき時は人を教う
1、心に誤りなき時は人を畏れず
1、心に邪見なき時は人を育つる1、心に貪りなき時は人に諂うことなし1、心に怒りなき時は言葉和らかなり1、心に堪忍ある時は事を調う1、心に曇りなき時は心静かなり1、心に勇ある時は悔むことなし
1、心賤しからざる時は願好まず1、心に孝行ある時は忠節厚し1、心に自慢なき時は人の善を知り1、心に迷いなき時は人を咎め


 有名な戦国大名上杉謙信公がいます。謙信公は越後の大名でしたが、上杉家は関ヶ原の敗戦以降は米沢に移ったため米沢人としても親近感があります。謙信公は毘沙門天を奉じ軍神とも称されるほど戦上手で武田信玄との川中島の合戦は有名です。また、謙信公は戦ばかりではなく、和歌など風流にも親しみ、さらに禅や密教も学び僧階も持っていました。その謙信公が残した家訓といわれるのが宝在心です。 


読んでみると戦国時代も現代も人の心は変わらないこと、人として大切なことはいつの世であっても変わらないことが分かります。文明がいかに進んでも人として学ぶべき事は不変なのです。もし心が大きく荒廃するならば、いかに豊かな文明を享受していても戦国時代より貧しき時代といわなければなりません。 


メーテルリンクの「青い鳥」を思い出しました。大切なことはどこか遠いところにあるのではなく、最も身近な心にあるのではないかと思うのです。幸福とは心が生み育てるものです。この宝在心はそのことを教えてくれています。弘法大師のお言葉に「金剛宝蔵の扉を開かん」とありますが、この金剛宝蔵とは素晴らしい宝物(幸福)が眠っている宝箱のことです。この宝箱は心のなかにあると教えておられます。幸福への扉を大きく開きたいものです。



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