求めることと、与えること、そのどちらを優先するで人生は大きく違ってきます。個人・物質・利己の三主義をあたりまえとしてしまうと、求めることしかできなくなってしまいます。もともと日本人の思考や行動の根底には「ありがたい」、「お世話になった」、「お互い様」という感謝の心がありました。この感謝の心を堅持しない限り私達は幸せなることができないのです。
スペインにある世界遺産サグラダ・ファミリアは１８８２年に着工し２０２６年の完成が予定されています。建設期間１４４年です。建設に携わった人々の多くは完成を見ることができないわけです。昔の教会などの巨大建造物は１００年以上の歳月を費やし作られたものも多くありました。完成した美しい姿を想像しながら、自分の子や孫のために汗を流し仕事に打ち込んだと本で読みました。
私達は急激な社会変化のなかで大切なことを見失いつつあります。個人主義が蔓延し家族や地域のつながりを破壊し、物質主義は精神性よりも金銭や物質による幸福感を蔓延させ、利己主義が信頼関係や協調性を崩壊させています。私達の視野はだんだんと広がりを失い、自分しか見えなくなってきています。お互いに自分のこと考え生きるのと、お互いに相手のことを想い生きるのとでは、似ているようで全く違う生活になってしまいます。自分を優先してくれる人を探すのではなく、自分よりも優先して考えることのできる相手に出会えた人が幸せなのです。人間は一人では幸せになれないのですから。
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