覚悟とは

 人は苦しい局面に立つほどに、覚悟を求められるものです。順調なときには、ことさら何も考えなくても前に進めるものです。ところが、何事においても順調に進み続けることはできないのです。必ず波があり、順調なときがあれば、そうではない時もあるものです。さらには、順調な時よりも、苦しい時のほうが多いのが人生というものなのかもしれません。だからこそ、生きていくにあたっては覚悟が必要なのです。
 
 覚悟といえば、我慢することだと思われがちのようです。苦しい状況に堪え忍ぶこと、不平不満を抑えることが、覚悟だと思われることが多いようです。ですが、覚悟とは我慢することでも、無理をすることでもないのです。覚悟とは、どんなことであっても、あたりまえのこととして受け入れられることなのです。
 
 たとえば、慣れない人が急にマラソンをすれば苦しいものです。ですが、それはあたりまえのことでしかありません。苦しくとも続けることによって、少しずつ走れるようになっていくのです。覚悟とは、まさにあたりまえのことを、あたりまえとして受け入れることなのです。今まで鍛錬していなかったことを急にすれば、苦しいのはあたりまえです。最初から分かっていることであり、苦しみをあたりまえのことと思えなければなりません。
 
 苦しみをあたりまえのこととするためには、動機付けがなにより必要となります。苦しいと分かっていることを、どうしてあえてしなければならないのかを、ちゃんと考えて納得しなければなりません。心がしっかりと定まっているならば、人間は困難を乗り越えられるものです。ところが、心が定まっていないと、不平不満に囚われたり、言い訳や逃げ道を探したりと、なかなか続かないものです。どんなに苦しい状況にあっても、涼しい顔でいられる人は、本物の覚悟を胸にしまっている人なのです。


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