人生の隠し味

 やっと雪下ろしが終わったかと思ったら大雪に見舞われてしまいました。きれいになったはずの屋根には数十センチの雪が積もっています。世の常として終わる頃を見計らって次がやって来るものです。一難去ってまた一難といったところでしょうか。
 


 どうせ次が来るなら、最初から何もしないほうがいいということではありません。屋根もつねに雪を下ろしているからこそ潰れずに春を迎えることができるのです。私達の人生もまた同じだと思うのです。困難をそのままにしていたら、やがて自分がつぶされてしまいます。
 


 「もうダメだ、いやもう少し」という葛藤も生きていく強さを養うためには必要なことだと思うのです。もしかしたら頑張れば頑張るほどさらなる困難が待ちかまえているのかもしれません。ですが、この先に何があるのかは進んでみなければ分かりませんし、前に進むからこそ見えてくるものがあると思うのです。
 


 私は平凡な人などいないと思っています。生きていれば大きな悲しみも語り尽くせぬ苦労も誰もが経験することでしょう。よく楽しかったことより苦労したことの方が記憶に残るといいますが、様々な辛い経験が人生の深い味わいとなるのではないかと思うのです。様々な隠し味があってこそ豊かに生きることができるのかもしれませんね。