心頭滅却火自涼

 今日は「心頭滅却火自涼」(しんとうめっきゃくすれば ひもおのずからすずし)というこれも有名な言葉です。戦国時代に織田信長に焼き討ちされた快川国師という方の言葉として有名なのですが、出典は中国の「碧巌録」の中にあります。心頭とは心という意味ですから、心を滅却すなわち無にすれば、たとえ火の中であろうと涼しく感じるものであるという意味です。
 


 禅宗には公案という問答があります。弟子が師匠に禅の奥義を求めるべく様々に質問するのですが、この言葉は「寒さ暑さのないところはどういうところでしょうか」という弟子の質問に対しての返答なのだそうです。寒さ暑さの真っ只中に飛び込め、そここそが寒さ暑さのないところであるということです。
 


 この言葉はあれこれと余計なことを考えずに無心になり飛び込めば、どんなところであろうと苦にならないという意味ではないかと思います。人間は考えれば考えるほど動けなくなってしまいます。だいたい一人で考え込むと最悪のことばかり考えるようになってしまいます。ですから不安を不安のままにしない、悩みを悩みのままにしないで、無心に行動すれば自ずと道が開けるということなのかもしれません。何よりもまず飛び込む勇気を持ちなさいと背中を押してくれる言葉なのです。






写真日記
 今日の写真は当山の眼下を流れる鬼面川です。冬でも凍ることも雪に埋まることもなく流れ続けています。私達も立ち止まることなく前に進み続けなければならないのでしょう。忙しいと余計なことを考える暇もなくなり、心配や悩みも忘れることができます。いつも前向きに頑張りたいものです。