謙虚という宝物

 順調な時ほど実は落とし穴が多いのかもしれません。油断していると、すぐに落ちてしまい一瞬の栄光に終わってしまいます。逆に逆境にある時にはどん底にいるわけで、これ以上は落ちることがありません。覚悟を決めて頑張るしかありません。ところが頑張ってはいあがっていくと、苦労したことも忘れて調子に乗り、また落とし穴に落ちてしまいます。


 調子がいいと、すべて自分の能力だと勘違いして周囲への感謝を忘れてしまいます。何をやっても上手くいくと勘違いして準備や根回しを怠るようになります。問題や心配があっても何とかなると不都合に目を向けなくなります。みんなが理解してくれていると勘違いし独断や説明不足に陥ります。他にも様々ありますが、順調な時ほど気をつけなければなりません。


 現状維持ということはなく、長い目で見れば上がっているか下がっているかのどちらかなのです。どちらにもちゃんとした理由があり、そこが分かっているかどうかが大切なのです。分かっていれば対処もできますが、気づくことができなければ、どうすることもできません。自分のことは意外と分からないものであり、人間は知らぬ間に変わっていくものです。何事においても謙虚であることが大切であり、「実るほど頭が下がる稲穂かな」という言葉を実践したいものです。