正しいコミュニケーション

 どうにも話が合わないと思ったら、相手や物事との距離を考えるようにしています。お互いがその話題をどのような距離から見ているかで随分と違うものです。たとえば怪しい宗教にどっぷりとはまっている人と話をしても、その宗教への距離感がまったく違うので、会話を成立させるのが難しいものです。相手は間近で見ているのに、こちらは遠くからのぞいています。相手は熱烈に肯定しているのに、こちらは無関心に否定しています。これでは会話が成り立つことはありません。


 まずはお互いに近づかなければなりません。お互いに歩み寄って近くも遠くもない中間地点を意識することです。また、肯定でも否定でもない客観的な会話から始めることです。立場の違う人間が感情的になれば対立しか生まれません。お互いが相手の言葉を素直に聞けるようにならなければなりません。相手の言葉にたとえ共感はできなくても中立的な立場に立てなければ、会話は成り立ちません。


 相手を屈服させようとか、相手を救ってあげようとか、会話に上下関係を作ろうとすると不具合が生じます。人格の優れた人ほどお互いの年齢や立場などにこだわることなく自然体で会話できるものです。マイナスの感情が伴わないから、心を開いたありのままの会話ができるのかもしれません。