人生の明暗は

 テレビでイランの女性が「争いに使うエネルギーを平和や人助けに使えば良いのに」と言っていました。政情不安定な国で大変な苦労をされている人の言葉として心に響きました。平和と戦争は紙一重だと思うことがあります。平和を求め自分の大切な人を守るために戦争がおこなわれます。この矛盾が世界から戦争がなくならない原因なのかもしれません。


 仏教には煩悩即菩提という言葉があります。仏教において煩悩は苦悩の原因であり、克服すべき対象です。ですが、煩悩の大きな力を悟りを求める力に転換することが悟りの縁ともなりえるのです。負の力には強いエネルギーがあります。このエネルギーの有効活用も考えなければなりません。悔しいという気持ちはもちろんですが、憎悪や嫉妬を良きエネルギーに転換できれば、大きな力となります。


 世の中を見渡せば同じような境遇にありながらも、不平不満に埋もれその境遇に埋没してしまう人、他人のせいにすることなく自助努力でその境遇を克服する人もいます。すべては考え方なのだと思うのです。自分のこと、相手のこと、社会のことをどのように見て、どのように考えるのか。そこに幸・不幸の境界線があるように思うのです。誰しも大いなるエネルギーを持っています。そのエネルギーをどのように導くかによって人生の明暗が決まります。