「話す」と「聞く」

 昔は読み書き算盤が必須とされてきましたが、私は話すこと、さらには聞くことがもっと大切だと考えています。社会生活とは表現を変えれば人間関係です。人間関係に求められるのはコミュニケーション能力です。いかに自分の思いを伝えるのか、いかに相手の思いを理解するのか。そしていかにお互いの思いを調整するのか。この三つに尽きるのではないかと思うのです。


 それぞれに与えられた性格があり、話すことが得意な人は聞くことが苦手で、話すことが苦手な人は聞くことが得意だったり、ある意味バランスは取れているのかもしれませんが、自分のなかでもどちらかに偏ることなくバランスを取りたいものです。また最終的にはお互いの思いを調整することも求められますが、お互いに上手な譲り合いも必要になります。


 目立つ人と信頼される人は違うように思います。信頼される人は、まずちゃんと聞き、次にちゃんと話し、そして責任をもって調整します。このプロセスが人間関係の基本だと思うのです。自分がちゃんと聞くからこそ、相手もちゃんと話すことができます。自分がちゃんと話すからこそ、相手もちゃんと聞くのです。この「話す」と「聞く」をさらに深めていきたいものです。