誤解されやすい仏教の本質

 仏教といえば葬儀を連想する人が多いように思われます。日本のほとんどの葬儀は仏式であり、葬儀専門の寺院も多くあり、葬式仏教と揶揄されることもあります。しかし、仏式の葬儀が普及したのは江戸時代からであり、長い歴史のなかで見れば最近のことです。それ以前は儀式よりも祈りが主だったのですが、今もそうですが「祈り=ご利益」というイメージがあり、利益仏教と揶揄されてしまいます。


 葬儀も利益も仏教の入口であり、そこから進んだ仏道のゴールは平安なのです。仏教とは掃除と同じように、不要なものを整理して、本当に大切なものを残す作業です。自らの心をシンプルに整えていくことで、安らかなる境地を得られるのです。あれもこれもと欲を出して抱え込んでしまうとゴミ屋敷になってしまいます。整理整頓され自分にとって本当に大切なものが、どこにあるのかすぐに分かるようにすることが仏教なのです。