厳しき関係のなかで

 近年、人間関係の幅が狭くなっているようで考えさせられます。決まった人間関係ばかりになり、新しい出会いや世界が遠のいているように感じられます。同級生や同業者など長い付き合いで気心が知れた関係は安心できストレスも緊張もなく、ありのままでいられるからこそ楽しいものです。ですが、表現を変えれば惰性の関係ともいえお互いに甘えてしまう危険もあります。


 長年連れ添った夫婦だと相手の欠点を直そうとはせず慣れてしまいます。気にならなく苦にならなくなるのです。だからこそ気兼ねなくいられるのかもしれませんが、お互いに成長できる関係ではありません。人間にはそういった楽な関係も必要なのですが、そういう関係だけだとダメになってしまいます。


 あえて水風呂に入るような刺激も必要です。今以上を求められる関係のなかに身を置くことで、さらなる成長や新たなる可能性も見えてくるのかもしれません。自分と同じような気の合う人間ばかりではなく、あえて真逆のような人間や届かないような人間と一緒にいることで良い刺激になることもあります。意識しないと楽な関係に埋没してしまいます。自分を鍛えられる環境を求めてみたいものです。