同期のサクラ

 テレビドラマ「同期のサクラ」が人気なようです。私も見てみたのですが、主人公の自分のペースで思ったことを言い行動してしまう性格について考えさせられました。このドラマではこういう性格は苦労するのでやめましょうといっているのか、それとも空気を読んで自分を殺して迎合することなく主人公のように自分のペースで生活しましょうといっているのか迷うところです。主人公には夢があるのですが、その性格ゆえ夢が遠のくばかりです。同期に支えられながら、このあとどうなるのでしょうか。


 社会には理論的に正しいことがあります。ところが人間は感情的な生き物ですから正論というものが苦手でもあります。また人間は弱いため正しいことだけを実行できる訳でもありません。それなのに目の前に正論をどんと置かれると、多くの人はうんざりしてしまいます。自分を否定されているようであり、分かっていてもできない自分の弱さや愚かさを指摘されているようであり、不愉快になってしまいます。


 上手に折り合いをつけながらグレーに生きているのが一般的な姿なのかもしれません。たしかに頑張ればできるかもしれないけれど、あえてやらないという選択。誰かが発言しなければならない状況でも、それは自分の役目ではないという選択。日々の生活において程々の選択というものが大半を占めているのかもしれません。「まあ、このくらいで」というのが正直な気持ちです。無理することなく、それで良いと思うのです。走るのも、歩くのも、休むのも、自分で決めればいいことです。今の自分を否定して苦しむのではなく、上手に認めてあげることも賢い選択だと思うのです。