現実と想いの狭間にて

 子供の頃は目の前の現実と自分の想いがすべてであり、現実と想いが一致せずに苦しむものです。たとえば友達とケンカをしたという現実と私は悪くないという想いだけでは解決することはありません。受験に失敗した時に不合格という現実と「あんなに頑張ったのに」という想いだけでは苦しみから抜け出せません。現実を変えられないとすれば、自分の想いを変えるしかありません。勉強以上に人生には柔軟な発想が求められます。


 自分を苦しめない救われるような頑張れるような発想に転換していかなければなりません。学校でイジメにあったとします。おそらく自分なりに色々なことを試しても我慢しても現実が変わらなかったとすれば、学校に行かないという発想も必要になります。これを目の前の現実から逃げると考えてしまうと自分を責め苦しむことになります。そうではなく自分にとって最善の選択を勇気を持って選び取るという発想が大切だと思うのです。


 人間には現実を変えていく力と現実に対する見方や考え方を変えていく力の両方が必要です。このふたつの力を柔軟に使い分けなければなりません。人生は山あり谷あり様々なことがありますが、最善の選択をするためには現実を変えるのか、それとも自分を変えるのか、その見極めが大切になります。この選択を間違うと苦しくなりますから、無理することなく自分らしくありたいものです。現実と想いのバランスを上手にとって歩んでいきたいものです。