心からのメッセージ

 目も耳も外からの情報を得るためのものですし、手や足は外界に向けて行動するために備わっています。私達の生活の大半は外からの情報を受け取り、その情報をもとに外に向けて行動することに費やされています。情報化社会の現代にあっては、氾濫する情報を処理するだけで目も耳も心も疲れています。情報を受け取ることに必死で、受信よりも大事な行動が疎かになりますし、それ以上に大切な心が放置されているような状態なのかもしれません。


 10年前であれば通勤の電車のなかで、ふと人生について考える機会があったかもしれません。ところが、今ではスマホをいじることで時間をつぶしています。外界を遮断して自分と向き合う時間を持てないのが現代社会の特徴でもあります。おそらく人と人とが交流する時間は減少して孤独な時間は増えているはずなのに、一人でいながら自分と向き合っていないのです。孤独な時間とは思考の時間であり、自らの過去・現在・未来に思いをはせたり、人生について考えることで成長していくのです。


 私達は外界と内面世界の調和を図らなければなりません。内なる声に耳を傾けることで、自らの心に適った生き方ができるのです。自分の心を無視したり、負担を強いるような生き方をしていると幸福にはなれません。たとえば電車で外の景色を見ていた時に「ふと」、疲れて家に帰ってきて「ふと」、友達と楽し時間を過ごして一人帰るときに「ふと」、ふとした瞬間に大切なことに気づいたりするものです。心の声に耳を傾け大切なメッセージを受け取りたいものです。



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