気づいたころには

 停滞していると感じる頃には深刻な状況になっていることがあります。現在の停滞とは急に出てきたものではなく、今までの小さな怠慢や問題などが積み重なって生まれてきたものなのです。大病と一緒で自覚症状が出てきたころには手遅れということもあります。何事も早めの対処が重要なのですが、面倒になって棚上げにしてしまうと、いつの間にか大きな問題に成長しているものです。


 不都合なものは見たくないというのが人間の心理です。見てしまえば頭から離れなくなり、何しかしなければならなくなります。もしかしたら現在の自分の能力以上のことが求められるかもしれません。もしかしたら面倒なことがいつまでも続くかもしれません。そう考えると知らないふりをしたくなるものです。ですが、今すぐ手を打てば何とかなるかもしれないのに、知らないふりをしては倒産や離婚などの破局を迎えてしまうのです。


 洪水は小さな川の増水が集まり大きな川で起こります。大きな川ばかりを見て小さな川を見ていないと、変化に気づくのが遅れてしまいます。小さな変化に気づくことで、大きくなる問題でも小さなうちに解決することができます。気づくためには目の前ばかりではなく、広々、深々、隅々、先々と視野を広げなければなりません。良いことも悪いことも大きなことから始まることはありません。小さなことほど大切にしなければなりませんね。




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