自分探しの旅

 人は誰しもそれぞれに人生におけるお盆を持っています。そして私達はそのお盆にのせられるものしか得ることができません。お盆が山になっていれば、いかに欲しくてもそれ以上に得ることはできません。そこで私達には三択があります。ひとつは欲しいものを未練なくあきらめること。ふたつにはお盆のなかから不要なものを捨てること。みっつにはお盆を大きくすることです。このいずれかの対応をしなければ、欲しいものができるたびに不平不満に埋もれてしまいます。


 人それぞれで対応は違います。ひとつ目は仏教的な対応です。これは無気力・無関心ということではなく、持たないことを楽しむ境地です。持てば持つほどに様々な苦悩がつきまとうので、最初から持たないことで心おだやかに暮らしていこうとする対応です。ふたつ目は整理整頓する対応です。見栄や憎しみなど自分を苦しめるものを捨て、また無駄だと思える時間や健康に悪いと思える習慣などは捨て去り、有意義なものだけを選択していく生き方です。選択さえ間違わなければシンプルに生活できます。みっつ目は自分の器量を広げて受け入れていこうとする対応です。これは何も雑多に何でも拾っていこうとするのではなく、取捨選択をしながらも良いものをたくさん得たいということです。


 人生に対して自分なりの対応というものがあると思っています。けして共通の正解があるわけではありません。百人いれば百通りの回答があります。大切なことは納得できる自分なりの生き方にたどり着くことです。紆余曲折があってあたりまえであり、たとえ遠回りしても、これだと思える生き方に出会いたいものです。最初から探すのを断念することなく、広い世界を見聞しながら楽しく自分探しの旅をしたいものです。




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