向上心が道を開く

 私が通っていた書道教室には、他の書道教室の先生も一緒に習っていました。いわば先生の先生に教えてもらっていたのです。自分で教室を持っている先生はやはり上手なものですし、とても熱心でした。そんな姿を見て上手だから先生になったのか、先生になったから上手なのか、どちらなのかと考えさせられました。人に教えようとすれば、教えるに値するものを持たなければなりません。その自覚がただ習っている人との違いであり、同じ時間筆を持ったとしても、上達に違いが出てくるのだと思いました。もちろん、自覚者は人以上に稽古に励みますから、油断しないウサギのように、あっという間に先に行ってしまいます。
 

 たとえ同じ仕事をしていても、社員とアルバイトではレベルが違います。社員とアルバイトではその意識に大きな違いがあります。雇用形態が違うから仕事に差がでるのではなく、仕事に対する意識が違うからなのです。稀に社員以上の仕事をするアルバイトもいますが、それは社員以上の意識を持って仕事をしているからなのです。何事も意識ひとつでまったく違うものになります。私達の能力とは、自分の仕事に対する意識から作られていくものなのです。
 

 向上心のない人は何をしても、人並み以上のことはできないものです。それは時間をつぶすようにしか取り組めないからです。向上心がないと、せっかくの仕事から何も学ぶことができないのです。何も得るものがないため、仕事を楽しいとは思えません。責任ある仕事もできませんから、やりがいを感じることもできません。そのため、ますますつまらない仕事になってしまうのです。つまらないからと転職しても、また同じことの繰り返しです。能力も信頼も充実もすべては向上心が生み出すものなのです。向上心さえ持てば、望むものはあとからついてくるのです。


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