苦労からの開放

 人生には切っても切り離せないものがたくさんあるものです。私達の意志や願いではどうすることもできないものもたくさんあります。その代表のひとつが苦労ではないかと思います。誰しも苦労を苦手とし、可能であれば苦労のない人生を願うものです。ところが、苦労から逃れられる人は誰もいないのです。どんな人であれ、大なり小なりの苦労がつねにあるものです。苦労からは逃れられないからこそ、大切なのは苦労の受け止め方なのです。
 
 苦労を積極的に受け止める人と、苦労を消極的に受け止める人がいます。この違いがとても大きな違いとなってしまうのです。たとえ同じ苦労であっても、積極的に受け止めようとする人は、やがては報われて喜びを得ることができます。ところが、苦労を消極的に受け止めてしまう人は、いつまでたっても苦労は苦労のままであり、喜びではなく不満ばかりが生まれてしまうのです。苦労の受け止め方によって、苦労はその姿を変えていくものなのです。
 
 苦労が報われる人は、自分に与えられた苦労に責任を持ち、前向きに苦労を乗り越えようとします。するといつの間にか、苦労が喜びへと変わり、一回り大きな人間になっているものです。過ぎ去らない嵐がないように、苦労も通り過ぎてしまえば、晴れ晴れとした喜びに変わるものなのです。そして苦労に感謝できるようにもなります。ところが、自分に与えられた苦労から逃れようとすると、かえって苦労はいつまでもつきまとい、不満と苦悩を与え続けるのです。
 
 実感として、苦労は絶えず波のように断続的に押し寄せるものです。ひとつの苦労を乗り越えても、また次の苦労がやって来るものです。頑張れば頑張るほどに苦労するものであり、そんなことなら頑張ることを断念したくもなります。この苦労が最後だと思えれば良いのですが、経験として必ず次の苦労がやって来ることが分かっているからこそ、真剣に苦労と向き合えないのかもしれません。しかし、それでも頑張るしかないのです。時に愚痴をこぼしたり、弱音を吐くことがあっても、それなりに頑張っていくしかないのです。世の偉人や成功者は苦労を親しき友としてきた人々です。たとえ、そこまではいかなくとも、つねに自分の隣にいる苦労と少しでも仲良くなりたいものです。

 
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