お経について

 仏教には様々な経典(お経)があります。一神教であるキリスト教イスラム教では聖典の数も少ないのですが、多神教である仏教には、それぞれの仏様の教えが経典として伝えられているため、膨大な経典が存在します。基本的に経典は仏教発祥の地であるインドで作られました。ですから、パーリ語サンスクリット語という古代インドの言葉で書かれています。それが中国に伝えられると、中国の人も読めるようにと漢字に翻訳されました。そして翻訳された漢字のお経が日本にも伝えられたのです。日本では、最初に仏教を受け入れたのは貴族階級であり、当時の貴族は中国の言葉であった漢文を読むことができました。それ以来、日本では漢字のお経が日本語になおされることなく現代に至っているのです。
 
 もともとお経とは仏様の教えを学ぶためのものでした。いわば仏教の教科書です。ところが日本では内容よりも読むことにご利益があるとされ、祈祷・葬儀・修行なとで、読まれることが中心となり、肝心の内容が学ばれることが少なくなりました。現代に至っては、一般の方はもちろんのこと、僧であっても経典を学ぶ機会がほとんどありません。儀式仏教と呼ばれ、形式だけとなり信仰や教えが見失われつつある原因のひとつがここにあるのではないかと思います。そこで、日本で読まれることの多い経典のなかで、比較的短いものを取りあげ、不定期ですが、このブログで解説してお経に親しんでもらえたらと思います。


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