心に巣くう原因菌

 祈りを伝えるのが私の仕事だと思っているのですが、目には見えない祈りをどのように伝えるべきなのか難しいものです。社会には目に見えて触れられる物が氾濫しています。そういったものは分かりやすく伝えやすいものです。精神的なものよりも物質的なものにシフトしていく時代にあって、いかに祈りの効用を伝えるべきなのか。ですが、祈りは体験してみなければ分からないものであり、また続けていかなければ深めていかなければ、本当の素晴らしさが分からいものでもあります。


 私は朝晩の祈りを続けることが大切だと考えています。朝には「今日も一日よろしくお願いします。」という謙虚な祈り、夕べには「今日も一日ありがとうございました。」という感謝の祈りを心がけることです。短い時間でもかまいませんし、神棚や仏壇がなくてもかまいません。続けていくことが大切なのです。そうしていくことで自分なかに変化を感じることができるかもしれません。もちろん、その変化は人により様々だと思いますが、総じて日々の生活が今までよりもおだやかになるのではないかと思うのです。


 人間の迷いは欲や不安から起こります。争いは怒りや嫉妬から起こります。不幸は愚かさから起こります。日々の祈りはそういった原因となるものの増幅を制御してくれます。ウイルスや菌も一定数を超えることで害となります。悪しき感情も皆無にはできませんが、感情や生活を乱さない程度であれば問題ありません。日々の祈りによって雑念が抑えられ心が清々しくなります。不幸の原因菌を抑えることで、心おだやかに暮らしていきたいものです。