いつの間にか

 朝、目が覚めれば慌ただしく一日が流れていき、気がつけば暗くなり一日が終わろうとします。自由な時間など寝る前の数時間しかありません。そのため何かをしようしてもなかなかできずに、思うようにならないまま日々が過ぎていきます。考えてみるならば一日も一生も同じようなものです。一日は起きてから寝るまで、一生は生まれてから死ぬまでです。あたりまえのことではありますが、大切なことは一日を充実させ豊にできなければ、その連続である一生も豊にはならないのです。一日を疎かにする人は幸せにはなれないのです。


 一日の長さは決まっていますが、一生は人によってその長さ時間は異なります。ですが、単純な時間の累計と人間の幸福は比例するものではありません。生きていくなかで何を学び誰と出会いどういった境地を獲得するが大事ではないかと思っています。そして、これは日々の生活の積み重ねによって得られるものなのです。


 一昔前までは60歳で退職を迎え退職金と年金でおおむね70歳くらいまでは人生のご褒美といえるような楽しい時間を過ごすことができました。ところが、これからは70歳くらいまでは働かなければなりません。「いつか、そのうち」が訪れないまま人生が暮れていくのです。だからこそ一日一日を大切にして味わっていかなければなりません。何も考えずに5分で終わらせるだけの食事は楽しいものではありません。食材、食器、雰囲気、相手など手を抜かずに味わい楽しめるような一日を作っていきたいと思います。素晴らしき人生とは遠い未来ではなく、今の手のなかにあるものなのです。




応援クイックお願いします
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村