悲観でも楽観でもなく

 私は悲観でも楽観でもなく達観することが大切だと思っています。達観とは目先の些細なことに惑わされずに将来を見通すことであり、道理を見極めることです。私達は考えるときには最高か最低の発想をしてしまいます。ありえないような幸福や不幸の状態を想像しては、その世界に埋没してしまいます。しかし、現実はつねにその中間にあるものです。一般的に悲観は自分を苦しめるので楽観的な思考が大事とされますが、極端に走りやすい思考を現実世界につないでおかなければなりません。


 仏教では自身の心に翻弄される生活を夢のなかの生活と表現し、自分に惑わされず道理を見極められるようになった状態を、夢から覚めると表現します。いわば私達は夢の世界で一喜一憂しているようなものであり、今の生活をすべてだと考えずに、もっと違った見方や考え方があるのではないかと探求しなければなりません。その努力によって、より豊かな生活を得ることができるのです。


 短絡的な考えを排し全体と未来を見据えながら考えることです。そして、自分の欲や感情に惑わされることなく、道理に照らし物事を見極めていくことです。人生は物質的な豊かさではなく、物事をどのように考えていくかで、すべてが定まっていくものです。自分がこの世界とどのように関わっているのか、どのように考え行動しているのか。極端にならず地に足をつけた生活を心がけたいものです。




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