ブームは突然に

 最近、芸能界でも食べ物でも電化製品でも、ある日突然にブームやって来て、あっという間に消えてしまう、そのブームの光と影について考えさせられます。おそらく優秀な仕掛け人がいるのでしょうが、ひとたび注目されるとマスコミが次々に取り上げ、それに飛びついてしまう私達がいます。昔は流行に敏感だったのは若い世代でしたが、今では世代を問わずに新しいものに関心があると同時に、流されているようにも感じるのです。
 
 芸能界であれば下積みがあり少しずつ実力をつけながら、それに伴い人気が出てくるという過程がありました。食べ物であれば創意工夫して少しずつお客さんを増やし有名店になっていくという過程がありました。どの世界であろうと、時間をかけながら力をつけていくのです。時間をかけながら努力したからこそ、長くその世界で評価されていたのです。
 
 ところが、今はとりあえず売り出してみて注目されればしめたもので、売れる時に売ってブームが去ってしまえば、終わりとなってしまいます。このプロセスには人や商品のことよりも、売ることが優先され消耗品のように扱われているようにも感じるのです。人や商品に愛着があれば、大切に育てようと思うはずなのですが、ビジネスという冷たい言葉が優先されているようで残念です。
 
 日本人はブームに弱いようです。それは「みんながしているから私も」という日本人特有の行動様式があるからなのでしょうか。ですが、昨今のめまぐるしい栄枯盛衰を見ていると、ブームに振り回されているだけのようにも感じられます。そして、ブームによっていきなり騒がれて、消耗品となってしまうものもあるのです。今の日本にはブームに振り回されるよりも、大切に育て見守るゆとりが必要なのかもしれません。簡単に飛びついて捨てるよりも、自分なりの価値観で本物を見極めたり、長く応援できるものを見つけたほうが、より楽しいと思うのです。


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