私達には「~しなければならない」という規範意識があります。この規範意識によって悪いことをせず、人に尽くし社会に貢献しようとします。人としての理想を目指すものであり、人生の指針といえます。ところが、規範通りにはいかない事態も起こります。そういった場合に規範を守れない自分を責めてしまうこともあります。
たとえばテストで百点を取らなければならないと思っている人にとって80点では喜べず、百点を取れない自分は攻撃の対象になります。法律で百点を取ることが義務付けられているのではなく、あくまで個人的な想いなのですが、その想いがどこまでも追いかけてくるのです。また、そういった規範は家族の影響を受け形成されますから、思うようにならない事態が家族にも悪影響を与えます。
最も人間を苦しめるものは暴力や環境ではなく、自分の考え方なのです。考え方ひとつで人生が大きく違ってくるものです。自分を責めたり縛ったりする考え方を捨てることができれば、ずいぶん楽になれます。生きるための指針は必要ですが、それによって苦しむのは本末転倒というものです。甘えてはいけませんが、ありのままの自分を素直に認めてあげたいものです。