この世の真理や道理というものは、誰かを特別扱いすることはありません。厳然としており等しく平等であり、理不尽に思えることもあります。人間は自分優先で生活をしています。自らの生命を維持し、家族を支えることを優先しなければならないからです。
ある国王がお釈迦様に「自分のことを最も愛おしいと思うことは間違いでしょうか」と尋ねました。これに対して「それは間違いではない。ただ、あなたの国民も同じように自分のことを愛おしく思っていることを、忘れず統治するように」と伝えたのです。
誰もが自分のことを優先してしまえば、この社会は機能しなくなります。誰もが同じように大切な命をもって生きているのですから、お互いに配慮し尊重しなければなりません。利害の一致という協力体制もありますが、それよりも、かけがえのない命の共感が大切ではないかと思うのです。
死を意識してから本当の人生が始まると聞いたことがあります。楽しいだけの人生ではなく、儚さのなかにこそ人生の尊さがあると思うのです。命の儚さと尊さを知ってこそ、より豊かな人生を獲得でき、また同じように生きている人々の命にも、目を向けることができるようになるのではないでしょうか。