仏教的経営のすすめ

 昨年逝去された稲盛和夫氏は自らの経営に利他の精神をもって臨みました。大河ドラマになった渋沢栄一氏は論語の精神を経営に活かし、他にも偉業を為した経営者の多くが経営哲学や生き方として仏教などの思想を体現することで成功されたと思うのです。そのポイントは、いかに自らの欲を抑えるかということです。


 経営者であれば儲けたい、楽をしたい、有名になりたいなど様々な欲が生まれるものです。ですが、そういった欲に飲まれてしまうと、破滅へとつながってしまいます。どのような仕事であれ、自らを抑えて顧客、取引先、社員、社会を優先することで、正しい仕事ができます。そのためには古来より人々を支えてきた思想を学び実践することが大切だと思うのです。


 経営者に限らず、自分を律して生きていかなければなりません。自らの弱き心や愚かな言動をコントロールするには強き模範が必要になります。書道ではお手本があることで正しい書き方を学ぶことができます。我流には限界があり、人生においても自らの経験ばかりではなく、お手本を持つことでより高いレベルに達することができるのではないかと思うのです。