信頼関係の基

 交通ルールを守らなければ事故になります。子供の頃は交通教室で、大人になれば教習所で交通ルールを学びます。大多数の人間が交通ルールを守ることで安全安心な通勤通学が実現します。人間関係においては、交通ルールの代わりに道徳があります。交通ルールと同じく、大多数の人が道徳を尊重すればトラブルなく安らかに生活することができます。


 道徳は算数などとは違い自然と身につけていくものです。本を読んで学ぶということでもなく、年長者に怒られたり、失敗や反省から学んでいくものです。生活のなかで学び実践していくものです。道徳は言語のようなものでもあり、共通の道徳を持ち合わせていれば、暗黙のうちに理解共感できるものです。ところが、道徳が欠如していれば、コミュニケーションが成り立たないということもあります。


 自分の基準や価値観を考える場合に、世間一般の常識や道徳を身につけているか問わなければなりません。私は言葉で会話することよりも、価値観を共有できるかが大切だと思っています。価値観とは自分が今まで育んできた人生の履歴書であり、お互いに見せ合った時に共感が生まれなければなりません。価値観の多様化といわれますが、しっかりとした基本があってこその個性であり多様性だと思うのです。その基本とは道徳であり、この部分でつながることができないと信頼関係を築くことはできません。