ミサイル発射

 不満が高まってくると、すべてを投げ出し絶縁したくなることがあります。とんでもない仕打ちを受けたわけではなく、個人的な被害妄想に近いような不満なのですが、自分のなかに渦巻く負の感情は道理も良識もすべて破棄させようとします。しかし、すべて断絶するような行動に出てしまえば、もはやそこに留まることはできなくなってしまいます。


 どのよう時であっても愚かな行動を制御しなければなりません。すべてを投げ出したくなっても、行動につなげてはいけません。短気は損気といいますが、愚かな行動のつけは自分のところにやってきます。ほんの少しの忍耐が足りないことで大きな後悔を背負うこともあります。いかに心が荒れていようとも、大人としての行動をとらなければなりません。


 負の感情は自分を正当化しようとします。私は被害者で相手が悪い、どうして私ばかりが苦労しなければならないのか、日頃の恨みを思い知らせなければならない、こういった想いは不幸の入口なのです。人間ですから様々な想いを抱くものですが、ミサイルを発射してはならないのです。ありのままの感情が行動に直結しないよう制御できる忍耐と良識を兼ね備えた大人でありたいものです。