負の連鎖の落し穴

 般若心経の解説を目にすることがありました。空ということを嫌いな上司という実体があるわけではなく、そのように思っている自分がいるだけであると説明されていました。学生時代に空の解説書を何冊読んでも哲学的であり難解であり、これを一般の皆様に説明しろといわれても不可能だと思っていました。あれから時代が進み仏教の解釈も進歩していると実感できる記事でした。


 私は空を関係性だと考えています。嫌いな上司がいるのではなく、嫌いだと思う関係を作っているのです。嫌いだと思うのは、厳しかったり、嫌味を言われたり、無視されたり、様々な理由があると思います。ですが、その前にどうして厳しいのか、嫌味を言われたのか、無視されるのかを考えることも必要です。相手の態度や言動ばかりではなく、その前段の自分の態度や言動も考えてみると、多くの関係は修復することができます。


 キャッチボールは2人でするものです。相手が取りやすいようなボールを投げることが長く続ける秘訣です。人間関係も相手が求める態度や言動を心がければ、上司でも部下でも良好な関係を維持できるはずです。そこに傲慢や甘えがあったり配慮に欠けるようになると、関係性も変わり苦手な存在になってしまいます。自分が嫌いだと思えば相手も同じように思っているものです。そのためさらに険悪になってしまいます。負の連鎖に陥ることがないよう落し穴に気をつけたいものです。