温厚と偏屈

 年を取ると丸くなるといいますが、どれだけ年を重ねれば温厚になれるのかと思い悩むことがあります。年を取るほど偏屈になることのほうが多いのかもしれません。団体や地域でもみんなで仲良くを合言葉に活動していても、いつの間にかおかしくなることもあります。長く付き合うほど、相手の様々なところが見えてくるものですが、そもそも人間には一長一短があり、どうしてもマイナスの部分が目につきやすいものです。


 人間関係は相手ではなく、自分を抑える力と相手をありのままに認める力が求められると思うのです。この力が衰えてくると偏屈になるのかもしれません。人生経験から相手を自分の思い通りには動かせないと分かり、相手の価値観やペースを認めることができれば温厚になり、相手を想う余裕がなくなり自分中心の言動となれば偏屈となります。自分がどちらに向かっているのか考えなければなりません。


 年と共に人間関係が大切になると思うのです。今はスマホがあれば何もいらないと思えても、年を取れば画面を見るのも、しんどくなります。人間が最後までできることは会話だと思うのです。会話には相手が必要です。いつの時代でも楽しいお茶飲み話が幸福の象徴なのかもしれません。相手から求められるのか、それとも避けられるのか。それは私の態度次第なのかもしれませんね。