心の声が

 相手の心の声が聞こえるがための苦しみがあり、聞こえないがための苦しみもあります。どちらであっても苦しいというのが人生なのかもしれません。多くの人は言葉にならない相手の想いが分かると思います。自分への期待、失望、配慮、遠慮、忖度、思惑など様々あります。人間は言葉以上にたくさんの会話をしているものです。ですが、そういった心の声が私達を苦しめることもあります。言葉以上に伝わってくる想いはプレッシャーとなりストレスとなります。逆に心の声なるものを理解できない人もいます。無頓着というか鈍感というか伝わらない人もいます。空気が読めないともいえますが、そういう人は周囲との意思疎通ができずトラブルや孤立に苦しみます。


 人間関係の前提として、お互いの思いが完全に一致することはなく、相手の期待に100%応えられる訳でもありません。できないことをやろうとするから苦しみが生まれるのです。理解しよう応えようとする人情や責任感も尊いものですが、それが過ぎれば苦となるのです。責任感は自分を成長させるものですが、その同じものが苦悩を深める諸刃の剣でもあるのです。人間は周囲の人々の様々な想いを背負って生きていかなければなりませんが、正しく想いを理解すること、そして背負っていけるだけの力を養わなければなりません。