わらしべ長者

 わらしべ長者という昔話があります。次々にもらったものを交換していき長者になった物語です。交換したものは前の物より高価なものであり、それが続いたので大金持ちになりました。もし交換したものが同等か低額のものであれば、いくら交換しても長者にはなれませんでした。注目したいのは、主人公は自分が長者になるために交換したのではなく、困っている人を助けようとして自分の持っているものを差し出したのです。そのお礼が自分が持っていたものよりも高価だったのです。感謝の気持ちがあればこそ、人は自分の大切なものを与えるのです。


 次々に良縁に恵まれ栄達していく人もいれば、どうしても悪縁ばかりで苦悩する人もいます。ですが、ご縁には良縁も悪縁なく、いただいたご縁を良縁にできる人と、悪縁にしてしまう人がいるだけなのです。わらしべ長者のように相手のことを考えて生きていれば、すべて良縁となっていきます。ご縁は次々につながっていき、人生を形作っていきます。自分が望むご縁を得ようとするならば、まずは相手に望まれる人間になることが肝要です。