「何のために」

 人間の原動力となるものは想いであり、さらに追及するならば「何のために」ということが大切だと思うのです。絶望する多くの人々は「何のために生きているのか分からなくなった」とか「何のために頑張っているのか分からなくなった」と言います。自分の根底にしっかりとした想いがなければ、耐えることも続けることもできなくなってしまいます。


 大切なのは「何のために」という想いなのですが、どれほどの想いなのかを試すかのように試練が与えられるものです。本来であれば苦難や困難によって、さらに自分の想いを強くしていかなければならないのですが、そのためには初心のところで確たる想いを持たなければなりません。「なんとなく」の想いではなく、強い想いや誓いが必要だと思うのです。人生のすべてに強い想いや誓いを持つ必要はありませんが、「これだけは」というものをひとつ持ちたいものです。


 また、自分のための想いは意外と脆いものです。家族のために、お世話になった会社のために、困っているみんなのために、自分ではない誰かのためにという想いほど強く自分を支えてくれるものです。人間は基本的に自利(自分のため)ではなく利他(誰かのために)で本領を発揮できるのです。けして負けない強い想いを胸に大切な人々のために頑張りたいものです。