人間関係の前提

 相手の態度にがっかりすることがありますが、その態度がその人間のすべてではないと思うようにしています。「このことに関して」は私ほどの危機感や情熱はないけれども、私とこの人の優先順位や価値観に違いがあるだけであり、けして相手が間違っていたり劣っているということではないのです。相手の全人格を否定したり失望するのではなく、相手の一部分についてという認識が必要だと思うのです。


 相手の全人格を否定したり失望してしまうと、もはや良好な関係を築くことはできなくなります。全否定の人は人間関係でトラブルを抱えることが多くなります。表現を変えれば、自分の思うようにならない人間はいらないということでもあります。なくて七癖といいますが、誰にでも長所と短所があり相性というものがあり、人間関係は難しいものです。


 人間関係の極意は、評価しない、比べない、求めないことです。「自分は自分、相手は相手」ということはワガママでなければ、相手への失望でもないのです。これらを間違いなく実践できれば、おだやかな関係を築くことができます。人間関係で悩んだならば、相手を全否定していないか、評価していないか、比べていないか、求めていないか、確認してみたいものです。