心を伝えるために

 私達は相手に自分の心を見せることができません。相手に想いが伝わらない時、この不安、この信頼、この悲しみを、自分の心をそのまま見せることができればと思うことがあります。ですが自分の心を見せることができないからこそ、私達は自分の言葉や行動で自分の心を相手に伝えなければなりません。


 言葉や行動で自分の心を伝えようとするときに気をつけなければならないことは、相手の心に響かせるということです。同じ言葉でも、相手が面倒だと思って聞くようでは響きません。信頼関係があってはじめて言葉に重みが備わり、響くようになります。大言壮語の口だけの言葉でも響きません。有言実行が信頼の基本であり、アピールすることなく日々黙々と行動している人の言葉ほど響くものです。


 自分の想いを偽る言葉や行動、自分の想いを実現させようとする言葉や行動、どちらなのかは周囲にも伝わり、それによって態度も変わるものです。また言葉や行動に品格や人格がなければ魅力を感じないものです。1日のなかでたくさんの言葉と行動が生まれるわけですが、そのひとつひとつに自分の心をしっかりと託さなければなりません。朝の挨拶ひとつにも、しっかりと心をこめたいものです。