新しき喜び

 コロナ禍でオンラインやリモートワークなどが急激が普及しています。そうなると出社や出張がそもそも必要なのかという議論も出てきます。今まで考える必要もなかったことにも疑問が生まれてきます。ですが、要・不要を考えることにも疑問があります。この社会はけして必要なことばかりではなく、不要と思えることもたくさんあります。しかし、そういった不要なことも大切なのではないでしょうか。


 たとえば視察と呼ばれるものの多くは親睦旅行でしかありません。議員から商店街の視察旅行まで成果があるとは思えませんが、親睦を深めたり、気分転換して意欲を高めたりすることもできます。平成の特徴に無駄の削減があったように思います。経費から行事まで無駄だ面倒だと削減されていきましたが、そのためにつまらない会社や地域になったのかもしれません。


 無駄を楽しむ余裕が必要ではないかと思うのです。目標に向けて一直線に走るよりも、道草しながらゆっくり進むほうが、みんなで楽しく歩むことができます。ダイエットは食べる喜びを制限し、断捨離は持つ喜びを制限し、コロナ過は外出する喜びを制限しています。喜びのない生活は無機質なものです。ダメだということに喜びを見出すのは悪徳かもしれませんが、コロナ禍にあっても喜びを放棄することなく生活していきたいものです。