生々流転と

 年齢と共に現実への上書能力が低下していくように感じられます。上書能力とは現実の変化に対応していくことです。いまだにバブル期の感覚でいる人もいますが、バブルが崩壊して30年近く経ち時代も昭和から平成そして令和へと移り変わりましたが、現実感覚に乏しい人もいます。教科書も世相も価値観もすべて変わっていきますが、変わったことを知らない、もしくは知ろうとしなければ時代に取り残されてしまいます。


 楽しかった思い出や過去の栄光も人生の財産だと思いますが、そういったものに縛られてしまうと、新しい可能性が失われてしまいます。私達は過去・現在・未来を上手に統合していかなければなりません。過去から学び、現在を主とし最善を尽くし、未来への可能性を育てていくことが大切ではないでしょうか。そのためには上手に上書していかなければならないのです。


 人生は生々流転と移り変わっていきます。卒業したら、昇進したら、結婚したら、転職したら、退職したら、病気になったら、今の自分に即した価値観や生活基準というものがあります。自分の人生で学んだことを積んでいくことで、善い方向へと変わっていくことができます。年相応という言葉もありますが、年齢に見劣りすることなく、また負けることなく、生きることを楽しみたいものです。