人生の流れに乗って

 山に降った雨は一か所に集まり川となり流れ始めます。最初のうちは急流でありどんどん流れ、平らな土地になれば流れも落ち着き、いくつかの支流が集まるほど大きくおだやかになっていきます。


人生も最初の頃は何も考えなくても幼稚園から小中学校へと続いていきます。考えるというよりも流れに乗って運ばれているようなものです。高校や就職になれば進路選択となり、この時期から川に譬えるならば平地となり、流される立場から主体的に進んでいくことができるようになります。


 川の流れはさらに大きくゆっくりとなり停滞するようにもなります。惰性の生活では、上手に進めなくなることもあります。「自分は何がしたいのか」という問題と向き合い、自分なりの方向性を見出さなければならない時期が訪れます。それは人生をより豊かにするための転換期です。

 

 人は誰しも最終的には大海へと帰っていくわけですが、その過程が大切です。長い人生のなかで自分の思い通りに生きられる時期は限られています。その時期にどれだけ楽しめるのか、成長できるのか、与えられた役割を成し遂げられるのか。流されるだけではなく、自分なりの生き方を見出していきたいものです。