道徳と法律どちらを選ぶ

 法律と道徳について考えてみました。法律は「してはいけないこと」をまとめており、違反すれば相応の罰則も規定されています。道徳は「すべきこと」をまとめていますが強制力はありません。その性質によって法律は守られますが、道徳は社会が荒廃するほど遵守されなくなります。道徳の広がりを見れば、その社会の成熟度が分かるといえます。


 法律を守ることは義務ですが、守ることによって治安が良くなるといった社会的な利益はありますが、個人的な利益を得ることはありません。あくまで最低限のルールというだけなのです。道徳に強制力はありませんが道徳を守ることで、人から信頼される、人として向上できる、誠実・勤勉に生活することができ、最終的には生きる最大の目的である幸福に近づくことができます。


 法律は細かく決まっており、それをいわば盲目的に守るだけです。道徳は自分で善悪を判断し責任を取らなければなりません。法律はすべての人を対象にしており、道徳は心ある人のみ修することができます。愚かな人は法律を守り、豊かな人は道徳を守ることで法律をも守っています。学校でも道徳の授業が行われていますが、やはり大人になってから自ら望んで道徳を学び人間力を磨くことが大切なのではないかと思うのです。